主役「ジョーカー」の人生は、生い立ちからそれはそれは寂しいものでした。
病気の母を支えながら、貧しいアパートで母子で暮らしています。
職業は「ピエロ」。
道化師として、街頭に立ってお店の宣伝をしたり、病院で慰問の芸をするような人材事務所に登録して派遣されているピエロです。
ひょんな事から同僚にはめられて、「銃」を手にします。
その銃を使って、地下鉄で最初の殺人をしてしまいます。
殺人をした後に彼は、「踊り」を踊ります。
恍惚の中で踊っていることはその表情から伺い知れるのですが、その瞬間が観ている私たちには余計に悲しく感じるのです。
殺人鬼「ジョーカー」となった彼は、その日から人生が別の方向へ突っ走って行ってしまうのですが、ネタバレが怖いので根幹に繋がるストーリーについてはここまでにしたいと思います。
彼は同じアパートのシングルマザーに恋をします。
その恋は出会いから一向に進展は感じられないのに、彼は彼女の後を追い、やがて2人は恋人同士になります。
ジョーカーの母親が入院した時も、そこに彼女が付き添ってくれています。
そんな「素敵な女性を愛し、愛されている自分」はすべて妄想でした。
彼女はそのアパートに住んでいて、エレベーターで会ったりはするけど、それ以上の存在ではありませんでした。
むしろ彼の視線を怖がっていて、ストーカーと化した彼を嫌っているのです。
現実の世界でもストーカーは存在します。
そのせいで怖い思いをしたり、警察にまで相談に行かなくてはならない人も男女ともにいます。
人はどん底に追い詰められると、誰かにすがりたいと思ってしまいます。
その誰かが「笑顔が素敵な隣人」だったら、妄想でその人を自分のものにしてしまうという恐ろしくも身勝手な「愛」が生まれてしまうのです。
妄想でしか誰かを愛せない人は、心に何か問題を抱えていると言えるでしょう。
医学的な支えが必要なほど、「執着」が激しくなることもあります。
ジョーカーの寂しさは経験した者にしかわからないことだと思いますが、勝手に愛されて、後を付けられたら怖さしか感じないですよね( ;∀;)
私たちでも「妄想」を楽しんで、今の恋愛をいい方向へ結びつけていこうという深層心理が誰にでもあります。
それは1つのゲームのようなものでもあり、お祈りのようでもあり、夢のようでもあります。
「彼と素敵なシチュエーションでデートをし、最後にこんな風に告白される」
そんな妄想ならいくら楽しんでも問題ありません。
ジョーカーのように「妄想でしか恋を出来ない」というのは明らかに心の病気です。
私たちは「現実」で恋をし、心の中で幸せな妄想を楽しみましょうね!!(^_-)-☆