スターウォーズのスカイウォーカーの夜明けは、3部作最後の作品です。
ネタバレが多分にあることをご理解のうえ、読み進んでください。
その中で主役は2人「レイ」と「ベン(カイロレン)」。
その2人の心の中をしっかりと描こうとしていたのが伝わってきました。
ずっと反対の思考と、方向性で生きてきたカイロレンとレイですが、戦う度に「互いを殺そうとは思っていない」心理を読み取ることができます。
ジェダイの中で仲間を大切にしながら生きてきた「レイ」と、シスの中で暗黒の中で孤独と対峙してきた「カイロレン」の間ではいつも激しい戦闘シーンが繰り広げられる。
ところが、2人が持っている2つの「フォース」は、重なれば凄い威力を発揮するので互いが「唯一無二の存在」であることも確かではあるのです。
常に戦いながらも、結局は自分の力を最大限使って相手の命を蘇らせることを互いに行う。
戦うなら、何で殺さず生かそうとするのか?
そこに切っても切れない「糸」と「愛」を感じてしまう。
どんなに憎んでもその心の奥底にある「相手への愛」を感じることが出来るのです。
「光と闇」という対極表現も見事に当てはまる2人ですが、最後はパルパティーンを2人の力で倒します。
×に交差した2つのライトセーバーが2人のフォースの力によって、パルパティーンの強大な力を封じ込め、憎しみではない「死」をパルパティーンに突き付けます。
2人で王座に就くことを夢見たカイロレンでしたが、最後は瀕死のレイのお腹に手をかざし、その命を蘇らせます。
そして自分の命はその引換えかのように、途絶えてしまいます。
レンの腕の中で、最後は「ベン」となって死んでいくのです。
死の間際にレイはベンにキスをします。
これまでずっと「戦い続けた人を愛する心」は実は誰にでも可能性がある恋愛のひとつの形です。
- 憎もうと思っても憎めない
- 大嫌いなのに愛おしい
- 忘れたいけどいつも気になる
そういう相反するような心の動きこそが、実はとっても強い糸で結ばれている相手にこそ生じやすいのです。
壮大な物語の一コマでなくても、私たちには「糸」で繋がれているような相手が存在すると言われています。
そんな相手を「憎しみ」からスタートしていく場合もあるのに、どうしても憎み切れず「愛」に気づいてしまう瞬間があります。
そんな2人には2人にしかわからない、境遇ゆえの苦しみや心を理解し合っているという特徴もあります。
「カイロレン(ベン)の死」はあの映画においては必然だったと思います。
レイの生きて行く未来に、その魂の部分でいつでもベンが側にいることをも予想できました。
愛とは複雑ゆえに、とても深くて魅力的な「人と人との繋がりのカタチ」なんですね!(^_-)-☆