凄い不思議な体験をすることが人にはありますね。
これはある女性の人生の一部を切り抜いてお話ししています。
19歳の時に、その女性はある観光地で神戸の青年と出会いました。
その女性は東京の方だったので、その日から遠距離恋愛が始まったのです。
3年の間に6往復する感じでデートを重ね、彼は東京に就職しました。
ところが、東京での生活は彼に合わず、会社との相性も良くなくて神戸に帰ることになりました。
彼女には「一緒に来ないか?」と聞いてくれたと言いますが、彼女は母子家庭だったため、母親を置いて神戸に行くことが出来なかったのです。
ちゃんとお別れした方がいいなと思って、お別れしたものの彼女はずっと忘れることが出来なかったと言います。
そして別の男性と結婚をし、子供ができた翌年「阪神大震災」が起こったのです。
新聞の死者欄に彼の名前を見つけたときは声を失ったと言います。
その日から20年が経ち、子供が成人になった年、彼女は仕事を再開しました。
その職場で出会ったある男性が彼女の心をもの凄く動揺させたというのです。
年齢的には20歳近く年下のその男性が、あまりにも亡くなった神戸の男性に雰囲気や考え方が似ていたというのです。
親しくなるにつれ、不倫はしないものの、2人で食事する日も増えたと言います。
「昨日夢でA子さんが編み物をしていたんだ。俺はA子さんはそんなことするタイプじゃないと思ってるから、起きてから笑えてきちゃった」
と話したと言います。
彼女は神戸の彼にセーターを編んだことがあり、最後に神戸に遊びに行った時、間に合わなそうだったので彼の目の前で最後の仕上げをしたのだそうです。
その他にも神戸の彼にしか見せていなかった色々な部分を、全く話していない彼の口から聞くこととなるのです。
彼女はその男性の産まれた年が、彼の亡くなった年であることにハッとしたと言います。
神戸の彼は31歳の時に亡くなり、職場で出会った男性は出会った時31歳だったのです。
そして、同じ大学に在籍していたこともわかり、色々と混乱したと話していました。
私には前世というものが本当にあるのか、そして何らかの因果が現在の命に繋がっているのかもわかりません。
その男性はきっとA子さんのことが好きなんだろうなと、数年前の飲み会の席で感じたことがありました。
その話を聞いてから7年が経った今でも時々ご飯に行ったり、桜を見にいったりしている2人ですが、本当にそれだけのようで息苦しく感じてしまいます。
もし、神戸の彼と彼女が一緒に東京で結婚していたら、きっと流れは大きく変わっていただろうし、職場の青年と会うこともなかったのでしょう。